振一筋

一手先を読む

18891962]詩人・小説家。石川の生まれ。本名、照道。別号、魚眠洞。「愛の詩集」「抒情小曲集」を発表、叙情詩人として出発。のちに小説も発表。

心に残る名詩

ふるさとは遠きにありて思ふもの
                       室生犀星 

[18861912]歌人・詩人。岩手の生まれ。本名、一(はじめ)。若くして「明星」に詩を発表し、与謝野鉄幹に師事。口語体3行書きの形式で生活を短歌に詠んだ。評論「時代閉塞の現状」、歌集「一握の砂」「悲しき玩具」、小説「雲は天才である」など。

  一握の砂   石川啄木 より

ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの

よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや

ひとり都のゆふぐれに

ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや
 

(注)
小景(しょうけい):心に残るちょっとした風景や光景。また、それを描いた絵や文。
異情(いじょう):風変わりな心。
よしや:たとえ、かりに。
異土(いど):故郷・故国と異なる土地。異国。外国。
乞食(かたい):こじき。物もらい。


中学校の教科書にあったと記憶しています。    振一筋

東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
                                      
 
啄木の中で一番のお気に入り。
磯の白砂に特に趣を感じます。          一筋

 
 

はたらけど
はたらけどわが生活楽にならざり
ぢっと手を見る


人生山あらば谷もある。         
           一筋


一握の砂の詳細は
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